「たった一度のロットミスで、人生の歯車が一気に狂ってしまいました」
インタビューの冒頭でそう話してくれたのは、42歳の中島宏樹さん(仮名)です。
ご家族には内緒でFXを始め、副業感覚でコツコツ運用していたつもりが、ある日を境に一気に崩れ始めたといいます。
結果的に夫婦関係も壊れてしまい、現在は別居中とのこと。
今回はそんな中島さんに、何が起きたのかを赤裸々に語って頂きました。
FXを始めたきっかけは「生活防衛」だったんです
──そもそも、どうしてFXに興味を持ったんですか?
中島さん:当時、共働きとはいえ教育費や住宅ローンでカツカツだったんです。
老後2,000万円問題とか報道されてたじゃないですか。あれを見て「このままじゃまずいな」って思ったんですよ。かといって転職も副業も難しい状況で、スマホ一つでできる投資ってすごく魅力的に感じたんです。最初はYouTubeで「FXで月5万稼ぐ方法」とか見て、やってみたくなったんですよね📱
──奥様には伝えましたか?
中島さん:いや、それが…内緒で始めました。反対されるのは目に見えてたので💦
ただ、自分では「稼げるようになってから話せばいい」って思ってたんです。今思えば、それが間違いの始まりでしたね。
少額スタートで「勝てる」と思い込んでしまった
──始めてみてどうでしたか?
中島さん:最初の3ヶ月くらいは、むしろ利益が出てたんですよ。2万円入れて5万円まで増えたときは、自分天才かと思いました(笑)
だからだんだんレバレッジも上げちゃって。気づけば1ロットとか平気で入るようになってました。
でも、それって全然“余剰資金”じゃなかったんですよ。子どもの習い事代から回しちゃってたんで😓
──不安とかありませんでしたか?
中島さん:ありました。でも「取り返せる」「まだ大丈夫」っていう謎の自信があったんです。完全にギャンブル脳だったと思います。
あの日のロットミスが、すべてを壊した
──その“崩壊の瞬間”について教えて下さい。
中島さん:2023年3月15日でした。FOMC前で相場が荒れるのは分かってたんですが、「ワンチャンある」と思って入ったんです。
それも、スマホでエントリーしてる最中に子どもが話しかけてきて、誤ってロットを10倍にしてしまったんです…💀
気づいたときには10lotでドル円ショート。しかも指標は想定外の上ブレ。20分で30万吹っ飛びました。
──その後は?
中島さん:呆然として、何も考えられなくなりました。ポジション持ったまま、風呂にも入らずチャート見続けて…
翌朝には60万損失。損切りもできず、強制ロスカットで終了でした。
隠しきれず、妻に打ち明けた結果…
──ご家族には?
中島さん:翌月、カードの支払いが通らずバレました。最初は嘘ついたんですけど、レバレッジのこととか説明できなくなって、正直に全部話しました。
妻は絶句して、「しばらく距離を置きたい」と言って実家に帰ってしまいました。子どもも連れて。
──どう感じましたか?
中島さん:「ああ、やってしまった」って思いました。でも一番つらかったのは、子どもと普通に会話できなくなったことです。
「パパどうしたの?」って聞かれても、何も言えませんでした。
今、何を思いますか?
──後悔していますか?
中島さん:もちろんしてます。生活費を溶かしたことも、ウソをついたことも。
でも、正直言うと「自分なら稼げる」ってどこかで本気で思ってたんですよね。だから止まれなかった。
今はメンタルの立て直しと同時に、ちゃんとした副業(ライティング)を勉強中です。
FXに再挑戦する予定はありません。もう、懲りました📉
同じように始めようとしてる人へ伝えたいこと
──もし今、かつての中島さんのような人がいたら、何を伝えたいですか?
中島さん:「誰にも見られてない」と思ってやるFXほど、危ないものはないよって言いたいです。
最初はうまくいってるように見えるからこそ、ハマるし、やめられなくなる。
あと、「生活費でやるのは絶対やめて」って言いたいです。稼ぐ前に、失う痛みを想像してほしいですね。
まとめ|「隠れて稼ぐ」は、家族も壊す
最初は「ちょっとお小遣いが増えれば」そんな軽い気持ちで始めたFXだったのに、
いつの間にか「家族に言えないことをしている自分」に変わっていた中島さんの経験は、今、同じような状況で悩む人への警鐘にもなり得ると感じました。
小さな損よりも怖いのは、大切な人との関係を壊してしまうこと。
画面の向こうには、リアルなお金が動いているという事実を、忘れてはいけません🧨